研究課題/領域番号 |
25860261
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
里見 介史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10633977)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2013年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん / 核 / ヘテロクロマチン / 血清飢餓 / 核形態 |
研究概要 |
がん細胞の核形態異常に関与するタンパクとして、ヘテロクロマチン形成に重要な、ヒストンH3の9番目のリジンのトリメチル化状態(H3K9me3)を認識する一次抗体と、HP1βを認識する一次抗体を用いた免疫組織化学による検討を行った。材料は、ヒトの外科手術材料で、クロマチンパターンが粗造である大細胞神経内分泌癌 29例と、クロマチンパターンが繊細である小細胞癌 37例を用いた。組織学的な半定量的評価により、小細胞肺癌でH3K9me3とHP1βのスコアが高いことが明らかとなり、「クロマチンパターンには、ヘテロクロマチン形成機構が関与している」ことが示唆された。 小細胞肺癌から樹立された細胞株であるLu-139を用いて、siRNAによるHP1βのmRNAレベルを抑制したが、形態学的なクロマチンパターンの差異は明らかではなかった。そこで、ゲノムワイドな遺伝子発現プロファイルを変化させるべく、血清飢餓培養を行った。フラクタル解析による画像解析を併用した、共焦点レーザー顕微鏡および電子顕微鏡を用いた超微形態で評価した。通常培養群と血清飢餓群のそれぞれ20個の細胞核において、フラクタル値を算出したところ、有意差をもってフラクタル値が異なっていた。さらに、フラクタル値は、核形態と核クロマチンパターンの両要素を内包しているため、効果量分析を行ったところ、「血清飢餓培養による核形態変化は、クロマチンパターンよりも核の形態が強く影響している」ことがわかった。 以上より、がん細胞の核形態異常には、クロマチンリモデリング機構の一つである、ヘテロクロマチン形成機構の異常が関与すること、培養細胞株では血清飢餓培養によりフラクタル解析で検出可能な核形態異常がもたらされることが明らかとなった。
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