研究課題
若手研究(B)
認知症の症状を軽減し、高齢者のQOLを高めるための施設ケアの在り方を明らかにすることを目的とし、QOLに影響する要因の検討を行った。認知症高齢者グループホームへのフィールドワークから身体的要因・精神的要因・社会的要因が示された。これらの要因に通底するのは「入所者の自律性を活かす」という観点であり、これがQOL向上に寄与していると示唆された。一方で、施設への家族の訪問などのように、QOL向上に寄与する要因であるが、入所者によっては行動・心理症状を生起させる要因も存在する。入所者一人ひとりの(療養生活、ケアへの)意味付けを検討することが認知症高齢者のQOLを高める上で重要となる。