研究課題
若手研究(B)
我々は、マウスを用いてアンドロゲン受容体 (AR) シグナルの腎疾患への関与を解析した。まず、免疫染色でARがマウスの腎皮質の近位尿細管細胞に発現していることを確認した。次に、片腎摘後の野生株(WT)マウスへのテストステロンの投与が、アルブミン尿と血圧上昇を誘発することが示された。一方、ARノックアウトマウス (ARKO) を用いた片側尿細管結紮モデルでは、線維化マーカーのα-SMA)のmRNAの発現がWTに比べ亢進し、ARKOを用いた片腎摘+虚血再灌流モデルでは、24時間後の血清尿素窒素がWTに比べ昇した。以上よりARシグナルは過剰状態でも欠乏状態でも腎疾患増悪に寄与することが示唆された。