研究課題
若手研究(B)
われわれは、本研究において2つの独立した遺伝子座がもつ、大腸癌の発生、進展における重要な相互作用を明らかにした。多くの癌種において重要な働きをもつ染色体8q24と、染色体20qのコピー数は大腸癌症例において有意に相関し増幅していることに注目し、8q24上に存在する重要な癌遺伝子であるMYCと20q上に存在するTPX2、AURKA遺伝子との相互作用を同定した。正常線維芽細胞株であるKMST-6細胞株にMYC、TPX2、AURKA遺伝子をそれぞれレンチウイルスベクターにて導入することにより、それぞれ足場非依存性増殖能が亢進した。またそれら3つの遺伝子を同時に導入するとさらなる効果がみられた。また、大腸癌細胞に対しTPX2遺伝子、AURKA遺伝子のsiRNAによるノックダウンを行った。MYC遺伝子発現の低いDLD-1大腸癌細胞株においても、TPX2、AURKAのノックダウンは細胞増殖を著明に抑制したが、MYC遺伝子発現の高いHCT-116細胞株においては、さらに著明な細胞増殖抑制効果がみられた。さらに、DLD-1細胞に対してレンチウイルスベクターを用いてMYC遺伝子を導入し、MYC安定発現DLD-1細胞株を樹立し同様の検討を行うと、TPX2、AURKAノックダウンによる細胞増殖抑制効果は、MYC安定発現株ではmock細胞株に比較して、有意に強いものであった。本研究結果は、副作用や薬剤設計の問題点から実現できていないMYC癌遺伝子に対する新たな標的治療の可能性を示唆するものであり、きわめて重要である。現在、論文投稿中である。
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