メラトニンは松果体から分泌される概日リズムを司るホルモンである。ラメルテオンはメラトニン受容体作動薬であり睡眠の導入に使われる。本研究では高齢者を対象に、ラメルテオンを周術期に投与することで、周術期せん妄が予防されるか、および周術期のQOLが向上するかを検討した。研究の結果は、統計学的に有意な差ではないもののラメルテオン投与群では周術期に軽度のせん妄を生じるリスクが低くなる結果であった。メラトニンの投与により周術期のQOLの明らかな改善は認められなかった。今後より多い症例数での研究が期待される結果となった。
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