研究課題/領域番号 |
25861743
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
犬伏 俊博 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (30550941)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2013年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ラクトフェリン / 抗炎症 / TRAF6 / NFκB / 糖鎖修飾 |
研究概要 |
平成25年度は、まず、研究計画に従いラクトフェリンの全長タンパクの合成を試みた。その結果、ウシラクトフェリンでは全長タンパクを合成することに成功した。次に我々が作成したウシラクトフェリン全長合成タンパクの抗炎症作用をウエスタンブロッティング法にて確認した。しかし、これまでに我々が用いた乳清由来ウシラクトフェリンで認めた NFκB 活性化抑制作用は確認できなかった。そこで、抽出製法の異なるウシラクトフェリンタンパクを複数入手し、その NFκB 活性化抑制作用を同様の方法で確認した。その結果、乳清から抽出精製したラクトフェリンでのみ NFκB 活性化抑制作用があることが明らかになった。この結果よりラクトフェリンタンパクの翻訳後修飾がNFκB 活性化抑制作用に重要であることが新たに明らかになった。そこで計画を変更し、糖鎖切断酵素により糖鎖の除去を行うことで、ラクトフェリンの糖鎖修飾とNFκB 活性化抑制作用との関連性について調べた。その結果、糖鎖除去を行ったラクトフェリンではNFκB 活性化抑制作用が消失するとともに、TRAF6 と結合できなくなることが明らかになった。このことから、ラクトフェリンの糖鎖による翻訳後修飾が TRAF6 とウシラクトフェリンの結合に必須であり、NFκB 活性化抑制作用に必須であるこという結論に至った。さらに我々は新たに、乳清由来ウシラクトフェリンが TRAF2 と結合することで TNF-α による NFκB 活性化を抑制することを明らかにした。また、乳清由来ウシラクトフェリンの新たな機能として Smad2/3 のリン酸化や P38 MAPK のリン酸化を介して骨芽細胞の分化や石灰化物形成を促進することを明らかにした。
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