研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌頸部リンパ節高転移株であるSAS-LM8とその親株SAS-GFPにTGF-β刺激を行ったところ, 両細胞の細胞形態や細胞間接着, 細胞増殖能に変化はなかったが両細胞の遊走能及び浸潤能が亢進した. 両細胞ともにN-cadherinとVimentinの発現が増強し, 細胞周囲に仮足様突起の進展を認め, 間葉移行の傾向を示した. またWnt5aの発現に変化はなかったが, Wnt5bの発現が増強した. TGF-βは口腔扁平上皮癌頸部リンパ節高転移株に対して, EMTを介して遊走能及び浸潤能を亢進させ, その現象にはWnt5bが関与している可能性が示唆された.
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