研究課題
若手研究(B)
本研究は、歯周疾患のうち薬物性歯肉増殖症の発症機序の解明を目的として、薬物性歯肉増殖症が報告されている薬物 (シクロスポリンA、フェニトイン、ニフェジピン)による免疫担当細胞からの炎症性サイトカインHigh mobility box-1 (HMGB1)の動態を調べた。昨年度までに、我々は、シクロスポリンA、フェニトイン、ニフェジピンで、マウスのマクロファージ様細胞株RAW細胞を刺激したところ、シクロスポリンA刺激のみがHMGB1を放出させることを明らかにした。そこで本年度は、シクロスポリンAによるHMGB1の放出機序の究明を目的とした。その結果、シクロスポリンAによりRAW細胞内のMAPK経路のうち、ERK1/2のリン酸化の亢進を認めた。しかし、p38とJNKのリン酸化の亢進は認めなかった。本年度の研究より、シクロスポリンAによるRAW細胞からのHMGB1の放出機序として、ERK1/2を介していることが示唆された。この知見は、シクロスポリンAによる薬物性歯肉増殖症の発症機序の一つとしてHMGB1の関与を初めて明らかにした知見であるため、今後の研究でさらに発展させる必要があると考える。今後の研究では、更なる放出機序の解明のために、本研究計画をベースにして検討する予定である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
BMC Microbiology
巻: 14 号: 1 ページ: 229-229
10.1186/s12866-014-0229-z
PLoS One
巻: 9 号: 1 ページ: e87373-e87373
10.1371/journal.pone.0087373
Immunopharm Immunot
巻: 35 号: 4 ページ: 471-477
10.3109/08923973.2013.811596
Biochem Biophys Res Commun
巻: 439 号: 3 ページ: 413-417
10.1016/j.bbrc.2013.08.018