九州圏内のがん臨床看護職の遺伝性腫瘍の認識、実践力、教育ニーズを明らかにすることを目的として、がん診療を行う施設の臨床看護職を対象に郵送質問紙調査を実施した。3割ががんと遺伝に関する相談を受け、2割が遺伝性腫瘍のケースと関わった経験があり、対応に苦慮していた。がんと遺伝に8割以上が関心をもっていたが、遺伝性腫瘍等を知る者は1割程度で、知識の有無が対応の不安や認知度に影響を及ぼしていた。今後がん臨床看護師が遺伝性腫瘍の対応を求められる可能性は高くなるだろう。臨床看護師自身の知識の向上のみならず、遺伝カウンセリングの周知や専門/認定看護師の知識の向上等、リソースとなるものの整備も必要である。
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