研究課題
若手研究(B)
今回、代表者は「DNAメチル化阻害薬によって細胞核DNAメチル化が減少すると炎症が惹起されるのか」、逆に「炎症反応時のエピジェネティックな反応により非メチル化DNAが増えると同じような結果が得られるか」について末梢血由来好中球を用いて検討を行った。1.まずPolymorphprepを用いることで末梢血からの好中球回収率/生存率が上がることをMTT assayや細胞染色により確認した。またDNAをDAMPとして認識するToll-Like Receptor 9 (TLR9)が好中球に発現していることをWestern blottingにより確認した。このうえでTLR9アゴニストであるODN2395を好中球に添加し、陽性コントロールとしての好中球活性化を確認した。TLR9刺激はNF-κBを介してInterleukin-8(IL-8)産生を促すことが以前に報告されており、実際にODN2395添加によりIL-8産生亢進が確認された。2.次に、DNAメチル化阻害薬であるRG108単独刺激による細胞応答性の変化についてIL-8を指標に評価した。MTT assayによると24時間のRG108刺激(0~100μM)で好中球のViabilityに影響はなかったが、RG108の濃度が高くになるほどIL-8産生は低下した。この傾向は、好中球を活性化するLipopolysaccharideの前刺激で顕著となり、DNAメチル化の程度が炎症反応に影響することを示唆した。3.上記の反応は、TLR9のアゴニストであるODN2395の前投与により減弱した。すなわちODN2395の前投与によりTLR9刺激系を飽和しておくとRG108によるDNAメチル化阻害は炎症惹能を発揮できないことがわかった。4.今後の検討課題としては(1)炎症の場で実際にDNAメチル化酵素の発現や活性が変化していること、加えて(2)TLR9刺激系のMain Sourceが核由来DNAであることを確認する必要がある。
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http://www.rm.med.tohoku.ac.jp/index.html