分娩とその異常におけるプロゲステロン受容体の機能解析

• 研究課題/領域番号: 25870150
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 発生生物学; 産婦人科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 藤田 知子 東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (60375441)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円); 2014年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2013年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
• キーワード: 黄体ホルモン / プロゲステロン受容体 / 分娩 / 早産 / mTOR / マウスモデル / プロゲステロン / 転写調節 / 妊娠 / p53 / 細胞老化 / ラパマイシン

研究成果の概要

分娩発来には子宮におけるプロゲステロン（P）-P受容体（PR）作用減弱が重要である。P-PRシグナルと早産との関連を明らかにするため本研究を行った。子宮特異的p53欠損マウスは約半数の個体が自然早産となることがわかっていたが、研究の結果、コントロールマウスでは影響のない少量のLPS投与により、p53欠損マウスでは卵巣のP産生が低下し100%早産をきたした。このLPS投与早産モデルに対し、PとmTOR阻害剤ラパマイシンとの同時投与によって、母体および胎仔に明らかな副作用なく早産とそれに伴う新生仔死亡を予防できた。PとmTORの経路を抑制する薬剤による新しい早産予防法の可能性を見出すことができた。

研究成果

• [雑誌論文] MicroRNA-200a locally attenuates progesterone signaling in the cervix, preventing embryo implantation. (2014)
  • 著者名/発表者名: Hirofumi Haraguchi, Tomoko Saito-Fujita, Yasushi Hirota, Mahiro Egashira, Leona Matsumoto, Mitsunori Matsuo, Takehiro Hiraoka, Kaori Koga, Naoko Yamauchi, Masashi Fukayama, Amanda Bartos, Jeeyeon Cha, Sudhansu K. Dey, Tomoyuki Fujii, Yutaka Osuga.
  • 雑誌名: Mol Endocrinol. 巻: 28(7) 号: 7 ページ: 1108-17
  • DOI: 10.1210/me.2014-1097
  • 査読あり
• [雑誌論文] 着床における黄体ホルモン（プロゲステロン）の作用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 藤田知子，廣田泰
  • 雑誌名: 医学のあゆみ 巻: 248 ページ: 914-915
• [雑誌論文] 着床期子宮におけるプロゲステロンの作用機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 廣田泰，藤田知子，大須賀穣，藤井知行
  • 雑誌名: 日本生殖免疫学会誌 巻: 29 ページ: 6-11
• [雑誌論文] 着床における黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 藤田知子、廣田泰
  • 雑誌名: 医学のあゆみ 巻: 248 ページ: 914-915
• [雑誌論文] Combinatory approaches prevent preterm birth profoundly exacerbated by gene-environment interactions. (2013)
  • 著者名/発表者名: Cha J, Bartos A, Egashira M, Haraguchi H, Saito-Fujita T, Leishman E, Bradshaw H, Dey SK, Hirota Y# (#corresponding author).
  • 雑誌名: The Journal of Clinical Investigation 巻: 69 号: 9 ページ: 454-462
  • DOI: 10.1172/jci70098
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] 分娩後子宮に存在する老化細胞の除去機構と次回妊娠への影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 江頭真宏, 廣田泰, 藤田知子, 原口広史, 松本玲央奈, 松尾光徳, 平岡毅大, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第29回日本生殖免疫学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2014-12-13
• [学会発表] microRNA-200aによる子宮内膜の胚受容能調節機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 藤田(齊藤)知子, 廣田泰, 原口広史, 江頭真宏, 松本玲央奈, 松尾光徳, 平岡毅大, 甲賀かをり, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2014-11-27
• [学会発表] 分娩後子宮に存在する老化細胞のクリアランス機構と子宮機能への影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 江頭真宏, 廣田泰, 藤田知子, 原口広史, 松本玲央奈, 松尾光徳, 平岡毅大, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第35回日本炎症・再生医学会
  • 発表場所: 名護
  • 年月日: 2014-07-02
• [学会発表] マウス妊娠子宮に出現する老化細胞のクリアランス機構 (2014)
  • 著者名/発表者名: 江頭真宏, 廣田泰, 藤田知子, 原口広史, 松本玲央奈, 松尾光徳, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第87回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2014-04-26
• [学会発表] 子宮体部と頸部の比較による,ブロゲステロン・シグナリングを介した子宮内膜の胚受容能獲得機構の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 原口広史, 廣田泰, 藤田知子, 江頭真宏, 江頭真宏, 松本玲央奈, 松尾光徳, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第87回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2014-04-26
• [学会発表] プロゲステロンによって子宮に誘導されるガレクチン１は妊娠維持に作用する (2013)
  • 著者名/発表者名: 廣田泰、藤田知子、原口広史、江頭真宏、大須賀穣、藤井知行、上妻志郎、SK Dey
  • 学会等名: 第86回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 仙台
• [学会発表] Macrophages are involved in the clearance of stromal senescent cells in the postpartum uterus (2013)
  • 著者名/発表者名: 廣田泰、藤田知子、原口広史、江頭真宏、大須賀穣、藤井知行、上妻志郎、SK Dey
  • 学会等名: 第13回東京大学生命科学シンポジウム
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] IL-1βは子宮内膜上皮細胞由来のIL-8を介して妊娠初期絨毛細胞の細胞遊走と細胞増殖を促す (2013)
  • 著者名/発表者名: 江頭真宏, 廣田泰, 原口広史, 藤田知子, 甲賀かをり, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第31回日本受精着床学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 別府
• [学会発表] マウス分娩後子宮に存在する老化細胞のクリアランス機構 (2013)
  • 著者名/発表者名: 江頭真宏, 廣田泰, 藤田知子, 原口広史, 松本玲央奈, 松尾光徳, 大須賀穣, 藤井知行, 今川和彦, 前多敬一郎
  • 学会等名: 第106回日本繁殖生物学会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] 着床前の子宮体部内膜の分化・増殖状態の変化は胚受容能を表し、その変化は上皮のプロゲステロン受容体発現によって維持されている (2013)
  • 著者名/発表者名: 原口広史，廣田泰，藤田知子，江頭真宏，松本玲央奈，松尾光徳, 甲賀かをり，大須賀穣，藤井知行
  • 学会等名: 第58回日本生殖医学会学術講演会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 分娩後子宮に存在する老化細胞のクリアランス機構 (2013)
  • 著者名/発表者名: 江頭真宏, 廣田泰, 藤田知子, 原口広史, 松本玲央奈, 松尾光徳, 大須賀穣, 藤井知行
  • 学会等名: 第58回日本生殖医学会学術講演会
  • 発表場所: 神戸