研究課題/領域番号 |
25870602
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
教育社会学
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
荒木 和華子 新潟県立大学, 国際地域学部, 講師 (90581778)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ペン学校 / 解放民教育 / 黒人教育史 / 南アフリカにおけるアフリカ人学校 / 教育モデルの移動 / 人種隔離 / (ネオ)アボリショニスト / チャールズ・T.ロラム / 黒人教育 / 帝国主義と教育 / アメリカ南部黒人学校 / 社会史研究 / 人種 / ジェンダー / 南アフリカ / 社会史 / 帝国主義 / 米国南部 / 南アフリカ共和国 / 農村部におけるモデル学校 / ポストコロニアル研究 |
研究成果の概要 |
19世紀半ば以降の米国南部において黒人教育のモデルとされた元奴隷のための学校「ペン学校」の展開と、南アフリカへの移植の意味を帝国主義と教育に関する研究課題として考察した。研究の前半では、ペン学校を支えた思想を当時の奴隷制廃止の立場の機関紙他一次資料から検証し、南アフリカにおける教育史、人種・ジェンダーをめぐる帝国主義研究の読み込みを行った。後半では様々な機関での史料調査を元にさらに考察を深め、最終年度には他機関から招聘した研究者4名を講師とした教育研究交流セミナーを開催し、自身も「米国南部黒人教育モデルの移動」というタイトルで研究報告を行ったほか、二つの媒体に本研究課題に関する論考を掲載した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南部における代表的なペン学校の例が示すように、奴隷解放期に着手された黒人教育は当初普遍主義的な教養教育が中心であったが、その後半世紀経つと産業・実業教育へと大きく転換した。その背景には米国南部において人種隔離体制がしかれる中、黒人を肉体労働者として育成し、また男女別に教育カリキュラムを設定するという白人教育政策者やそれに同調した黒人教育者の存在があった。転換後の黒人学校がモデルとして南アフリカをはじめとする他国において参照された。このように特定の教育がモデルとして移植される背景を理解するにあたって、当時の社会体制、背景、人種・階級・ジェンダーの要因が密接に関係していることも明らかとなった。
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