CD133標的遺伝子による癌幹細胞特性獲得機構の解明

• 研究課題/領域番号: 25870775
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 腫瘍生物学; 腫瘍治療学
• 研究機関: 東京理科大学
• 研究代表者: 秋山 弘匡 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (40400254)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2014-03-31
• 研究課題ステータス: 中途終了 (2013年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2013年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
• キーワード: 癌幹細胞 / CD133

研究概要

我々は、癌幹細胞マーカーCD133の標的遺伝子としてp53抑制因子PICT1と薬剤排出に関与するABCG2を同定した。平成25年度は、CD133安定発現株およびPICT1安定発現株を樹立し、PICT1安定発現株を用いて、幹細胞性関連遺伝子の発現および癌の悪性化への関与を検討し、PICT1が癌幹細胞性質獲得に関与するか検討した。
(1) PICT1安定発現株の足場依存的な増殖能と非依存的な増殖能を調べた結果、足場依存的増殖能においては有意な差は見られなかったが、足場非依存的増殖能においてはコントロールに比べてコロニー形成数が増加した。さらに、PICT1安定発現株が自己複製能獲得に関与するか解析するため、スフィアアッセイを行った。その結果、PICT1安定発現細胞株では、スフィアの形成効率が亢進していた。これらの結果より、PICT1の発現が癌の悪性化に関与している事が示唆された。
(2) PICT1安定発現細胞株で、幹細胞性遺伝子の発現が上昇しているかウェスタンブロットで検討した。その結果、Sox2、Oct4とKLF4の発現が亢進していた。次に、癌幹細胞マーカーの発現を調べた結果、CD13、CD90とCD133の発現が上昇していた。これらの結果より、PICT1は癌幹細胞性の獲得に関与している可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] FBI1/Akirin2 promotes tumorigenicity and metastasis of Lewis lung carcinoma cells. (2014)
  • 著者名/発表者名: Komiya Y, Akiyama H, Sakumoto R, Tashiro F
  • 雑誌名: Biochem. Biophys. Res. Commun. 巻: 444 号: 3 ページ: 382-386
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2014.01.064
  • 査読あり
• [雑誌論文] The male-specific factor Sry harbors oncogenic function. (2014)
  • 著者名/発表者名: Murakami S, Chishima S, Uemoto H, Sakamoto E, Sato T, Kurabe N, Kawasaki1 Y, Shibata T, Akiyama H, Tashiro F
  • 雑誌名: Oncogene 巻: 未定 号: 23 ページ: 2978-2986
  • DOI: 10.1038/onc.2013.262
  • 査読あり
• [雑誌論文] The FBI1/Akirin2 target gene, BCAM, acts as a suppressive oncogene. (2013)
  • 著者名/発表者名: Akiyama H, Iwahana Y, Suda M, Yoshimura A, Kogai H, Nagashima A, Ohtsuka H, Komiya Y, Tashiro F
  • 雑誌名: PLoS One 巻: 8 号: 11 ページ: e78716-e78716
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0078716
  • 査読あり
• [雑誌論文] アフラトキシン B₁誘導ラット肝細胞癌由来 K2 細胞の悪性化に secreted protein acidic and rich in cysteine（SPARC）のダウンレギュレーションが関与している (2013)
  • 著者名/発表者名: Suda M, Kamoshida H, Hayashi T, Ogawa M, Ohtsuka H, Murakama S, Yuko Komiya Y, Murakama Y, Akiyama H, Tashiro F
  • 雑誌名: マイコトキシン 巻: 63 号: 2 ページ: 151-159
  • DOI: 10.2520/myco.63.151
  • NAID: 130003384016
  • ISSN: 0285-1466, 1881-0128
  • 査読あり
• [雑誌論文] The U-box-type ubiquitin ligase PRP19β regulates astrocyte differentiation via ubiquitination of PTP1B. (2013)
  • 著者名/発表者名: Yamada T, Urano-Tashiro Y, Hashi Y, Sakumoto M, Akiyama H, Tashiro F
  • 雑誌名: Brain Res. 巻: 1524 ページ: 12-25
  • DOI: 10.1016/j.brainres.2013.06.007
  • 査読あり
• [学会発表] FBI1による癌幹細胞様特性獲得機構の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 永島 愛, 橋本 理那, 秋山 弘匡, 田代 文夫
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] Bcas2の異常な発現は中心体の複製を介して染色体不安定性の引き金となる (2013)
  • 著者名/発表者名: 日笠 里映, 村上 重和, 二宮 航, 茂木 南士, 秋山 弘匡, 田代 文夫
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 肝がんにおける雄性特異的因子Sryのがん促進機能の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 村上 重和, 坂本 依里奈, 二宮 航, 茂木 南士, 日笠 里映, 柴田 龍弘, 秋山 弘匡, 田代 文夫
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] ヒト肝癌細胞において性決定因子SRYはstemness factorsの転写制御を介して癌幹細胞の性質を維持する (2013)
  • 著者名/発表者名: 坂本依里奈、村上重和、上元寿人、加藤康平、茂木南士、二宮航、日笠里英、柴田龍弘、秋山弘匡、田代文夫
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 癌細胞選択的毒性を有するタラノ芽由来aralin受容体HDLBPの同定とその機能的プロセシング機構の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小野 孝英, 大塚 寛子, 前田 貴央, 戸松 誠, 秋山 弘匡, 田代 文夫
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸