研究課題/領域番号 |
25871081
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
脳計測科学
動物生理・行動
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研究機関 | 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
和田 教男 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所, その他部局等, 研究員 (90525958)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2014年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2013年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 小脳 / 前庭核 / プルキンエ細胞 / 眼球運動 / 運動学習 / 神経可塑性 |
研究概要 |
「学習記憶の獲得・維持・表出」という学習記憶の各プロセスにかかわる小脳皮質と、その投射先である前庭核の役割を解析するために、マウスの反射性眼球運動(OKR)をモデル系として解析を進めた。 OKR学習に関して、スクリーン刺激を1時間与え続ける事で短期ゲインの変化を、さらに5日間暗室飼育しながら長期ゲイン変化(長期学習)を測定したところ、遮断中は RNBマウスは短期・長期OKRゲイン変化が誘導されず、伝達の回復後の再学習においては、高いゲインを示すという結果を得た。 今度は、まず遮断前に5日間のOKR長期学習を誘導し、その後暗室内で14日間飼育しながら神経伝達を遮断した後に再びゲインを測定した。その結果、RNBマウスのゲインは神経伝達が遮断しているにもかかわらず、野生型マウスと同様に高いゲインを示した。 次に、水平方向の眼球の動きを担う小脳皮質、片葉Hゾーンにステンレス製刺激電極を埋め込み、短期、長期学習前後にて電気刺激に対する眼球の動きの大きさを測定した。野生型マウスでは短期学習、長期学習の成立前後では電気刺激に対して眼球の動きは変化なく、長期学習が成立すると動きは大きくなった。伝達遮断中のRNBマウスの電気刺激に対する眼球の動きは野生型と同様であった。 最後に、伝達遮断中のRNBマウスにスクリーン刺激と同時に単純スパイクのモジュレーションを模倣した電気刺激を行うと、長期学習が表出した時と同じゲインを示した。 以上、小脳皮質が数時間単位の短期学習に、その投射先である前庭核が数日単位の長期学習に重要な役割を果たし、さらに一端長期学習が成立すれば小脳皮質は必要ない事、前庭核で獲得した長期学習は小脳皮質からの適切な信号によって表出される事を明らかにした、米国ナショナルアカデミー紀要に投稿した。
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