研究課題/領域番号 |
25871122
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
高性能計算
計算科学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
秋永 宜伸 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 研究員 (50508554)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | coupled-cluster / 高精度計算 / コードジェネレータ / 励起状態 / イオン化ポテンシャル |
研究概要 |
高並列計算に適した高精度電子相関理論の開発に向け、本年度は、開発中の2成分相対論的coupled-clusterプログラム自動生成(コードジェネレータ)に改良を加えることで計算効率を向上させ、小規模分子の物性計算に適用し、その有用性を示した。改良点としては、コードジェネレータの核となるテンソル積でlevel 3 BLAS(DGEMMもしくはZGEMM)を使用し、CPUのより有効な利用を実現した。本プログラムを利用して、(1)原子のスペクトル(2)遷移金属水素化物(AuH, TlH)の基底状態と励起状態の物性(3)OsO4分子のイオン化ポテンシャルの計算を行い、実験値とよく一致することを確かめた。(1)においては、アルカリ金属原子および遷移金属原子のスピン軌道分裂幅の計算を行い、3電子励起を考慮した2成分CCSDT計算では、実験値との定量的な一致を得た。CCSDT法の実装方程式は多くのテンソル積を含んでおり、手動による実装には多大な労力を要するが、本研究で開発したコードジェネレータを用いることで、実装の手間を大幅に省くことが出来た。(2)においても2成分CCSDT法を用いることで、分子の安定構造における物性のみならず、低レベルの近似理論では困難とされる解離挙動を正しく記述することにも成功した。(3)では、実験的に観測されているイオン化スペクトルのスピン軌道分裂を正しく再現することが出来た。 本年度の成果を受け、次年度はテンソルのタイル化によるMPI並列化を行って並列性能を計測し、大規模並列化に向けた課題を洗い出す予定である。
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