研究課題
研究活動スタート支援
昨今の環境・エネルギー問題に対して、ブラッシュアップされた既存の推進・発電エンジンの飛躍的な性能向上は見込めない。最も激しい燃焼モードであるデトネーション波を利用したパルスデトネーションエンジン(PDE)は、既存のエンジンシステムを一新するポテンシャルを有する。PDEは、円筒形状の燃焼器内で、PDE1サイクル(推進剤の供給・デトネーション波の伝播・既燃ガスのパージ)を繰り返す。実用化の観点から、推進用PDEの次の明確な課題は、液体燃料・酸化剤の使用,高周波数作動による高推力重量比の実証である。本研究独自の手法である液滴パージ法の基礎実験(噴霧実験)を開始した。並行して、液体C2H4-液体N2Oを用いた回転バルブ式四気筒パルスデトネーションロケット(TODOROKI II)を構築した(全長1.9 m、全重量32.5 kg)。液体推進剤を使用した推力測定実験を行い、約400 Hzの高周波数作動および256 Nの時間平均推力の発生を確認した。本研究が2006年に構築したTODOROKIの推力重量比を大幅に向上させた。この結果、液体酸化剤を使用したPDE作動を実証し、さらに、世界発の飛行試験を実現性を確認した。2013年10月20日には、名古屋大学内実験室にて、打ち上げ角度約10°の飛行試験に成功した。さらに、2013年12月01日には、筑波大学構内において、打ち上げ角度90°(垂直打ち上げ)での飛行試験に成功した。この一連の飛行試験によって、液体推進剤を使用したPDEトータルシステムでの実飛行環境下(6自由度下)推力実証および飛行特性の把握を行った。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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