研究課題
研究活動スタート支援
私は先行研究において、哺乳類の味蕾における甘味・苦味・うま味受容の神経伝達物質ATPの放出を担う必須分子としてCalcium Homeostasis Modulator 1 (CALHM1)イオンチャネルを同定した (Taruno et al. Nature 495:223, 2013)。しかし同時に、味蕾のATP放出機構においてCALHM1が必須分子ではあるが、唯一の構成要素ではないことを見いだしていた。本研究では、味覚の神経伝達の分子機構の全容理解のために、味蕾で発現を確認したCALHM遺伝子ファミリーのその他のアイソフォームについて、その構造・機能を強制発現系を用いて解析した。共免疫沈降法を用いた実験により、CALHMアイソフォームのいくつかはホモ・ヘテロ多量体を形成する事を発見した。また、CALHMアイソフォームのイオンチャネル機能をアフリカツメガエル卵母細胞を用いた電気生理学的手法を用いて解析した結果、特定のCALHMアイソフォームが電位依存性イオンチャネル機能を持つ事を発見した。上記研究結果は、先行研究で発表したCALHM1以外のCALHMアイソフォームも多量体を形成して電位依存性イオンチャネルとして機能する事を示しており、これらは味蕾細胞においてCALHM1と共発現していることから、CALHM1とともに味細胞の神経伝達に重要な役割を担っている可能性を十分に示唆している。今後、味蕾におけるCALHMアイソフォームの役割をマウス組織を用いて解析する事で、味覚の神経伝達の分子機構の全容解析を目指していく。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件)
Membrane
巻: 39 ページ: 41-47
130004780922
BioEssays
巻: 35 号: 12 ページ: 1111-1118
10.1002/bies.201300077