研究概要 |
舌筋、咀嚼筋は体幹や四肢の骨格筋とは異なる発生学的、生理学的、生化学的特徴をもってい る. microRNAは21-24塩基からなる小分子non-cording RNA でmRNA からタンパク質への翻訳抑制機能を有し,骨格筋の発生は,miR-1/206, 24, 29, 133, 181 など様々な microRNA により調節されていることが報告されている.一方血小板由来増殖因子(PDGF)は,細胞の生存,増殖,組織のリモデリングなどに関係し,C2C12やL6などの培養筋芽細胞は,PDGFにより増殖が促進され,分化を抑制することが知られる. そこで本研究では,舌筋,咀嚼筋の発生調節においてPDGFがどのようなmicroRNAの制御を受けているかを明らかにし,これと体幹や四肢の筋の発生調節機構と比較することが目的である. 平成25年度は,C2C12骨格筋培養細胞をPDGF-BBで処理し,これにより最も発現量に変化の生じるmicroRNAを見い出すためにReal-Time PCR法を行った.この結果,特に培養2日目でmiR-29の発現量が顕著に増加した. 次いでmiR-29のインヒビター処理をし,発現量に大きな変化のあるmRNAをマイクロアレイにより解析した.この結果,TET1 等の骨格筋発生に関連のある可能性がある遺伝子発現の増加が認められた.
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