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縄文時代後晩期における低湿地遺跡の形成過程

研究課題

研究課題/領域番号 25904012
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 史学
研究機関弘前大学

研究代表者

亀井 翼  弘前大学, 人文学部, 技術補佐員

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード縄文時代 / 低湿地遺跡 / ジオアーケオロジー
研究概要

本研究では縄文時代後晩期における低湿地遺跡の性格解明のため、秋田県五城目町に所在する中山遺跡を対象として、ジオアーケオロジーの視点から遺跡形成過程を検討した。中山遺跡は縄文時代後晩期の低湿地遺跡であり、本研究を実施するにあたり最適と考えられる。具体的内容として、まず空中写真を立体視によって判読し、地形学図を作成した。本図の作成によって、遺跡周辺の大まかな地形発達史が復元された。中山遺跡は丘陵や河岸段丘を開析する谷底平野に立地するが、この谷は早くてもMIS7以降に開析されたことが明らかとなった。次に、中山遺跡で採取した堆積物を、乾式篩別、湿式篩別、およびレーザー回折粒度分析装置の組み合わせによって分析し、粒度分布を明らかにした。砕屑性堆積物の粒度は、おもに運搬と沈積の過程と機構を反映していることから、得られた粒度分布から堆積環境を推定した。支谷の出口にあたる中山遺跡A区、C区は、縄文時代後期後葉から晩期初頭までは流路あるいは静水域であり、主に捨て場として利用された。遺物包含層は礫層によって覆われるが、これは突発的に発生した土砂堆積イベントによって、土地利用が中断された可能性を示唆する。これに対してB区では、後期末葉から晩期前葉まで一貫して静水域であり、完形の壺や注口土器が多数廃棄される祭祀的な捨て場として利用されていたと考えられる。
本研究の意義は、これまで経験的かつ定性的に行われてきた、考古遺跡における層序区分や堆積物の記載を、地球科学の方法を援用するジオアーケオロジーの手法で行った点にある。自然流路や人間活動による堆積や浸食が複雑に重ね書きされている低湿地遺跡において、遺構や遺物分布が何を反映しているかを正確に判断するためにはジオアーケオロジーが重要であり、今後も研究を継続していく。なお、本研究の成果は国際学会を含む2本の学会発表として公表し、論文として査読のある雑誌に投稿中である。

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 秋田県南秋田郡五城目町中山遺跡の自然形成過程2013

    • 著者名/発表者名
      亀井 翼
    • 学会等名
      第四紀学会2013年大会
    • 発表場所
      弘前大学
    • 年月日
      2013-08-22
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Preliminary report on particle-size analysis of the Nakayama site in Akita prefecture, Northern Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Kamei, T
    • 学会等名
      Developing International Geoarchaeology Conference 2013
    • 発表場所
      University Basel
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-05-15   更新日: 2019-07-29  

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