1、研究目的 国立美術館の現状分析と美術館との連携による企画展覧会を想定した教育カリキュラムを開発・実践する。 2、研究方法 (1)国立美術館との連携 国立美術館(今年度は2館を抜粋)の設立経緯と教育普及活動の情報収集を行った。今年は京都国立近代美術館の学習支援担当者より、研究に対して多大な理解を得られ、積極的に情報交換ができた。その結果、生徒がテキストに迫る鑑賞教育を美術館で体験することによって、美術作品やその作者、学芸員からの学びを授業に還元できないか検討するに至った。そして、美術館との協同を基盤として、授業で子どもが作品について語る活動に効果が期待できるプロジェクトの計画を立てた。 (2)学校・美術館・アーティストの協同 京都国立近代美術館(1F講堂、3F企画展示会場、4Fコレクション・ギャラリー)を会場にして、子ども達が学芸員や作家の作品についての語り方の多様性に触れ、語り手の見方や作品への理解がどのようなテキストとなって現れるのかを知ることを目的としたギャラリートーク(館長と、5人の学芸員による10分間の作品解説)を展開する活動を実施した。実施期間美術館では企画展が開催されることになっており、その出品参加であるやなぎみわ氏が参加の意向を示した。会場に展示されてある作品の作者による45分間のアーティストトークが実現した。 (3)アーティストのワークショップの授業導入 美術館担当者から、授業の目的に近いと判断されるアーティストの活動の紹介を受けて、生徒活動に効果が期待できるアーティストのワークショップを授業の導入で行った。生徒が美術館の作品や実際に会ったアーティストの活動に触れながら、そのよさを、生徒自身が学校の授業に還元していくカリキュラムを実践した。 3、研究成果 美術館教育活動との具体的な連携を実践し、授業とのリンクの仕方を検討する上で必要な記録を得られた。今後、美術館のコーディネート力が学校教育に様々な働きかけとなる活動の具体的な方法を立案できる。
|