1 研究目的 聴覚に障害のある生徒の保有する聴覚を活用し、ドップラー効果を体験的に理解させる。 2 研究方法 (1) 聞こえの状態の違う生徒個々の聞こえる音の大きさ、高さなどの違いによる可聴範囲を調べた。また近年増えている人工内耳の生徒の聞こえの様子を調べた。 (2) (1)の調査を基にして、聴覚に障害のある生徒に対して、ドップラー効果を理解できるための実験器具を作成した。 ア FM補聴システムにアンプと指向性マイクをつなげて、離れた音でも補聴器でとらえることができるシステムを作成した。 イ 自動かき混ぜ器スターラーを使って、牛乳を入れたバッドの中のスターラーバーを回転させながら移動させ、同心円に近い波が移動することでドップラー効果をイメージさせる実験機器を作成した。 (3) 発音物体が動くことで音が変化するということを実験を通して理解できるようにした。 ア 1000Hz以下の正弦波音を発しているスピーカーを回転させ、それに(2)アのシステムのマイクを向けて補聴器で音の変化を聞き取れるようにした。 イ ハイブリッドカーから正弦波音や救急車のサイレンを出し、それに(2)アのシステムのマイクを向けて補聴器で音の変化を聞き取れるようにした。 ウ (2)イの実験機器を使い、聴覚活用が難しい生徒にドップラー効果をイメージさせる実験を行った。 3 研究の成果 音の高さの変化と音の大きさの変化の違いを生徒に体験してもらった後にドップラー効果の実験を行うと多くの生徒は今まで感じることができなかった音の高さの変化を感じることができ、ドップラー効果を体験的に理解することができた。
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