研究概要 |
高度情報化社会が進展する中で, 高機能情報端末の活用と併せてデジタル化された教材開発が求められるようになっている。児童の多様な学習に対応するためには市町村教育委員会で編集されている小学校社会科副読本について地域素材のデジタルアーカイブを活用しデジタル化を促進する必要がある。また, 学習指導ではデジタルメディアだけではなく, 印刷メディア, さらに体験や活動などの現実の活動も考慮しなくてはならない。 小学校中学年の社会科では, 主に自分たちの住む身近な地城の学習や県の産業等について学習していくが, 現在, 使用されている教科書では他県の事例が多く扱われており学習内容に沿わない状況になっている。そのため各地方自治休の市町村教育委員会においては教科書の内容を地域に置き換え地域教材を開発し, 「社会科副読本」を編集し, 学校に配布し利用させている。現在, 教材のデジタル化が促進しデジタル教材の教育普及が広がりつつあるが, 地域資料や地域教材をデジタルアーカイブとしてデータベース化しておくことで, 教師が画像や動画等の地域素材を学習資料・教材して有効に活用したり, 市町村教育委員会が「デジタル副読本」を編集にする際に利用したり改訂することが今後ますます容易となるであろう。教師による地城教材の開発を行う際に, 地域資料のデジタルアーカイブを利用することにより教材作成の文援が可能となる。また, 教師の開発した地域教材をもとにして地方白治体の市町村教育委員会では教科書に準拠した「副読本」を編集することが容易になるであろう。しかし, 児童の多様な学習ニーズに対応するためには, 印刷メディアだけではなくデジタル化を進める必要がある。「デジタル副読本」は印刷メディアのデメリットである情報量や動画や音声等の多様なメディアを包含することが可能となる。さらには, 学習活動で使用する学習プリントや作業プリント等の印刷メディアもダウンロードできるようにしておくことで学習活動を支援することが可能となる。さらに, 利用しやすくするためにはDVD教材としてのパッケージだけではなく, Webコンテンツとしてホームページを作成することにより全国的に沖縄の地城教材の利用者が増えるであろう。また, この「デジタル副読本」を活用した授業実践をデータベース化しておくことで, 教師の教材研究や後の事例研究にも大いに役立つと考えられる。
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