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自然観察の森における粘菌を利用した教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25923002
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 生物学Ⅰ(植物)
研究機関岡山理科大学附属高等学校

研究代表者

高橋 和成  岡山理科大学附属高等学校, 理科, 教諭

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
100千円 (直接経費: 100千円)
2013年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
キーワード粘菌野外観察 / コンテナ落葉堆積 / 里山のヤマザクラの樹下
研究概要

1. 研究の目的
粘菌は一般にはあまり知られない微生物であるが、森林生態系を構成する一員として存在している。里山を利用した自然観察では大型動植物を対象とする講座は多いが、粘菌を対象とした野外観察会はほとんどなされていない。本研究では、微生物の視点から市民対象の新たな自然観察会を実施するために基礎的な自然情報を得ることを目的として、林床の落葉に発生する粘菌の調査を行った。
2. 研究の内容
兵直県姫路市自然観察の森において、森の優占樹種が異なる5地点で落葉生粘菌の発生を2013年4月~11月まで季節を通した調査を行った。林床に60Lコンテナを置き、辺りの新規落葉を集積した。それを粘菌の自然培養基物として、2週間おきに粘菌子実体の発生を観察した。2012年からの継続的な2年間の調査から、33種の粘菌を確認した。常緑樹のアラカシ・ソヨゴで24種、落葉樹のコナラ・ヤマザクラで23種であり、両樹種の共通種は14種であった。一方、樹種選好性は、落葉樹に8種、常緑樹に7種が認められた。変形菌の子実体は4月下旬~11月上旬に観察され、6月下旬に最多の22種が出現した。出現種の季節性は3つの時期からなり、初期に4種、中期に9種、後期に3種が特徴的に認められた。特に、アカモジホコリ(Physarum roseum)は、後期の晩夏から初秋に出現した。中期には出現種の85%(28種)が出現した。暖温帯の混交林の樹種や落葉時期は、変形菌の季節的な発生に影響を与え、変形菌の種多様性を高めていることがわかった。
3. 意義・重要性
野外での粘菌観察講座は、6月~7月の梅雨後期が適期であることが分かった。林床に設置したコンテナ落葉堆積が微小な粘菌のゆりかごとして観察ポイントなった。実際に姫路市ジュニア検定講座の一部として観察会を6月23日に実施したが、参加者全員が粘菌を見つけることができ、採集標本を室内で顕微鏡観察した。樹林の植生の違いは変形菌の発生に影響があり、落葉樹と常緑樹が混交する樹林のヤマザクラの樹下で出現種数が最大になることが分かった。こうしたことから、粘菌を利用した里山での新しい自然観察が可能になった。今後、フィールドセンターや学校での教育活動に自然観察プログラムとして利用することができる。

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Seasonal patterns of myxomycete occurrences on varied leaf-litters in a mixed forest of warm temperate western Japan

    • 著者名/発表者名
      TAKAHASHI, Kazunari・IUCHI, Yumi
    • 雑誌名

      植物研究雑誌

      巻: (投稿中)

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 里山における粘菌観察講座の設計に向けた基礎調査2014

    • 著者名/発表者名
      高橋 和成
    • 学会等名
      日本生物教育学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2014-01-11
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

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公開日: 2013-05-15   更新日: 2020-05-15  

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