1. キュウリホモジネ一トとトマトホモジネートの混合によるポリフェノール含有量の変化 (1)実験目的 : 混合物から得られる抗酸化活性が低下したが、無くなったわけではなかった。ポリフェノール含有量を測定し、キュウリとの混合による変化をトレースすることで、低下作用への寄与を考察する。 (2)実験方法 : フォーリンチオカルト法を用いて測定した。 (3)実験結果 : 混合する事でトマトに含まれるポリフェノール総量が28%減少した。残ったポリフェノールが混合後の抗酸化活性に影響を与えていると考えられる。 2. キュウリとトマトの接触状態におけるDPPHラジカル捕捉活性 (1)実験目的 : キュウリとトマトは、カット後に接触した状態でそれぞれ摂取されることが一般的あるため、接触条件による抗酸化活性を経時的に測定し、日常に近い条件でのデータを明確にする。 (2)実験方法 : 1/8にカットしたトマトの断面に輪切りにしたキュウリを接触させ、5分後、30分後にトマトの抗酸化活性を測定した。対照区として湿らせたろ紙を接触させた。DPPHラジカル捕捉活性法を用いて測定した。 (3)実験結果 : 接触による明確な抗酸化活性の低下は見られなかった。 3. キュウリの加熱処理・酢添加条件によるDPPHラジカル捕捉活性の変化 (1)実験目的 : 加熱処理、pH変化によるアスコルビン酸オキシダーゼ活性の抑制効果を検証し、抗酸化物質の損失の少ない条件を明確にする。 (2)実験方法 : 袋に入れて煮沸したキュウリのホモジネート、および、キュウリホモジネートに酢を添加したものを試料とし、アスコルビン酸に加えて抗酸化活性を測定した。 (3)実験結果 : 煮沸したキュウリを加えることで、アスコルビン酸のみのときより抗酸化活性が強くなった。酢添加では、加熱処理以上の抗酸化活性の強化が見られた。加熱処理、pH変化によってキュウリ自身の保有する抗酸化物質も得られることが示唆された。
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