研究目的 本研究では、腎癌分子標的薬服用患者を対象に、血中濃度及び遺伝子多型が薬効・副作用発現に与える影響を評価することを目的とした。まずSunitinib服用患者の血中濃度測定から研究を開始した。 研究方法 Sunitinib血中濃度測定 血清中のSunitinibおよびN-desethylsunitinibはアルカリ条件下、t-butylmethyl etherで抽出し、減圧乾固後、移動相に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分離定量した。HPLCの分析はODSカラムを用い移動相として0.05Mリン酸緩衝液(pH 3.0) : アセトニトリル : PIC試薬B7 (Waters)=695:300:5の混合液を使用した。UV-VIS検出器の検出波長は0~12minが431nm、12~20minが250nmに設定した。 研究成果 Sunitinib服用患者1名(50mg/日内服)のSunitinib及び活性代謝物であるN-desethylsunitinibの測定を行った。その結果、内服8日目のSunitinib、N-desethylsunitinibのトラフ値はそれぞれ84.2ng/mL、20.1ng/mL、その後11日目まで内服継続されたが発熱が認められ中止、内服中止後1日目では41.4ng/mL、21.7ng/mL、中止後8日後では4.8ng/mL、5.4ng/mLであった。今後はSunitinib服用患者の血液を収集し、血中濃度及び患者の遺伝子多型が薬効・副作用発現に及ぼす影響を評価する予定である。
|