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アドレノメデュリンとその受容体システムによる虚血性脳障害に対する保護効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25931015
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 臨床医学
研究機関信州大学

研究代表者

河手 久香  信州大学, 医学系研究科, 研究助手

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード血管 / 脳虚血 / RAMP
研究概要

脳虚血は高齢者に多く、運動感覚障害のみならず、血管性認知症の原因にもなる。アドレノメデュリン(AM)は、血管拡張ペプチドとして発見されたが、抗炎症作用、抗アポトーシス作用、血管新生作用など多彩な作用も有することから、臨床応用も期待されている。一方でAMは血中半減期が短く、慢性疾患への応用には制限もある。我々は、AM受容体機能調節因子の1つであるRAMP2が、血管のAMの機能を制御していることを見出し、治療標的として有望と考えた。本研究ではRAMP2ヘテロノックアウトマウス(RAMP2+/-)を用いて、急性および慢性脳虚血モデルを作成し、その病態生理学的意義を検討した。
野生型マウス(WT)、RAMP2+/-に対して、1. 片側中大脳動脈閉塞による脳虚血再灌流術(MCAO)、2. 両側総頚動脈にマイクロコイルを留置して狭窄させる慢性虚血術(BCAS)を施行し、laser Dopplerにより脳内血流を計測した。MCAOでは24hr後に脳を摘出して解析し、BCASでは28日後の8方向放射状迷路試験の後、解析を行った。
RAMP2+/-では、MCAO24hr後の脳血流回復の遅延と脳重量の増加を認めた。RAMP2+/-では、梗塞前後とも脳内RAMP2発現はWTの1/2に低下していた。両者とも虚血側のAM発現が上昇したが、RAMP2+/-でより顕著であった。RAMP2+/-では、TNFα, IL1βなどの炎症性サイトカインの発現亢進を認め、脳梁や線状体周辺での神経細胞の脱落や変性の亢進が認められた。一方BCAS後、RAMP2+/-では、作業記憶、参照記憶の低下と、所要時間の延長を認めた。RAMP2+/-では炎症性サイトカインの発現上昇や神経細胞の脱落、変性の亢進が認められた。
AM-RAMP2系は急性および慢性脳虚血において、脳血流の維持や炎症の制御により神経細胞死を抑制し、脳保護に働いている。AM-RAMP2系は、脳虚血に対する新たな治療標的として期待される。

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Adrenomedullin-RAMP2 system is crucially involved in retinal angiogenesis2013

    • 著者名/発表者名
      Iesato Y, Kawate H, et al
    • 雑誌名

      Am J Pathol

      巻: 182 ページ: 2380-90

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Endogenous CGRP protects against neointimal hyperplasia following wire-induced vascular injury2013

    • 著者名/発表者名
      Yang L, Kawate H, et al
    • 雑誌名

      J Mol Cell Cardiol

      巻: 59 ページ: 55-66

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adrenomedullin-RAMP2 system suppresses ER stress-induced tubule cell death and is involved in kidney protection2013

    • 著者名/発表者名
      Uetake R, Koyama T, et al
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Pathophysiclogical roles of adrenomedullin-RAMP2 system in acute and chronic brain ischemia.2014

    • 著者名/発表者名
      五十嵐恭子、河手久香, et al
    • 学会等名
      国際血管生物医学会(IVBM2014)
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-04-14
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 慢性脳虚血における、アドレノメデュリン-RAMP2系の脳保護効果の検討2014

    • 著者名/発表者名
      五十嵐恭子、河手久香, et al
    • 学会等名
      第39回日本脳卒中学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-03-13
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 虚血性脳血管障害におけるアドレノメデュリン-RAMP2系の病態生理学的意義の解明2013

    • 著者名/発表者名
      五十嵐恭子、河手久香, et al
    • 学会等名
      第17回日本心血管内分泌代謝学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2013-11-23
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 虚血性脳血管障害におけるアドレノメデュリン-RAMP2系の意義2013

    • 著者名/発表者名
      五十嵐恭子、河手久香, et al.
    • 学会等名
      第21回日本血管生物医学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2013-09-26
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-05-15   更新日: 2019-07-29  

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