• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

解剖例の薬毒物検査における鎖骨下静脈血試料の有用性についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 25933009
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 境界医学・社会医学・看護学等
研究機関鹿児島大学

研究代表者

肥後 恵理  国立大学法人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 技術職員

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード法医中毒学 / 血中アルコール濃度 / 鎖骨下静脈血
研究概要

薬毒物検査は法医実務において重要な検査項目の一つであり, 血中濃度測定は必須である。血中濃度測定の試料としては, 胃に近い心臓血はアルコールなどを経口的に摂取すると, 死後胃内の薬毒物が周囲に拡散し, 実際の血中濃度よりも高値を示してしまうため, 胃から遠い大腿静脈血を選択するのが一般的である。しかしながら, 大腿静脈血を採取するには手間がかかり, 状況によっては充分量が得られない場合がある。そこで, 鎖骨下静脈血が薬毒物濃度測定に適しているか否かを検討した。
期間中に実施された法医解剖例のうち, ガスクロマトグラフを用いた気化平衡法によって血中からエタノールが検出された5例(男性4女性1, 年齢40-72(平均59)歳, 死後経過時間28-57(平均45)時間)について, 心臓血, 大腿静脈血, 鎖骨下静脈血中のエタノール濃度を比較した。一般的にいわれているように大腿静脈血は心臓血に比して低い濃度(濃度比の平均0.91)を示した。一方, 鎖骨下静脈血は大腿静脈血に比して僅かに高いが(濃度比の平均1.07), 心臓血と比較すれば同程度に低い濃度(濃度比の平均0.93)を示した。心臓マッサージ実施例, 腐敗例がなく, それらの鎖骨下静脈血の濃度に及ぼす影響については検討できなかった。
以上の結果から, 鎖骨下静脈血は解剖学的に心臓や胃に近いが, エタノールの死後拡散の影響がなく, 大腿静脈血と同様に死後の血中エタノール濃度測定に有用である可能性が示唆された。本研究の成果は, 解剖においては大腿静脈血に加えて末梢静脈血採取の部位が増え, 死体検案の現場においては外表からも穿刺しやすいため, いずれの場面でも濃度測定に適した有用な試料が得られやすくなると考えられる。今後, 事例を増やすことで, 今回検討できなかった心臓マッサージ等の影響についての検討や, アルコール以外の薬毒物の濃度についても検討したいと考えている。

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ダルマザメによる咬傷と思われる類円形・類楕円形の損傷を認めた溺死の2剖検例2013

    • 著者名/発表者名
      肥後恵理, 林 敬人, 折戸秀樹, 吾郷一利, 吾郷美保子, 税所千春, 小片 守
    • 学会等名
      第63回日本法医学会学術九州地方集会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2013-10-19
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 高齢者の身体的虐待死例における腎尿細管内ヘモグロビン, ヘモジデリン, ミオグロビンの検討2013

    • 著者名/発表者名
      林 敬人, 吾郷一利, 吾郷美保子, 肥後恵理, 山内春夫, 武内康雄, 小片 守
    • 学会等名
      第63回日本法医学会学術九州地方集会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2013-10-18
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 外傷性軸索損傷例の脳梁におけるinterleukin (IL)-8発現2013

    • 著者名/発表者名
      林 敬人, 吾郷一利, 吾郷美保子, 肥後恵理, 小片 守
    • 学会等名
      第63回日本法医学会学術九州地方集会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2013-10-18
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Immunohistochemical detection of interleukin (IL)-8 in cases of blunt head injury and its application for wound age determination2013

    • 著者名/発表者名
      Hayashi T, Ago K, Ago M, Higo E, Ogata M
    • 学会等名
      92nd Annual Meeting of the German Society of Legal Medicine
    • 発表場所
      Saarbruecken (Germany)
    • 年月日
      2013-09-20
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 眼鏡レンズの破片を用いた左前肘部切創による自殺例2013

    • 著者名/発表者名
      肥後恵理, 林 敬人, 吾郷一利, 吾郷美保子, 小片 守
    • 学会等名
      第97次日本法医学会学術全国集会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2013-06-26
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~legalmed/

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-05-15   更新日: 2019-07-29  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi