研究課題
基盤研究(B)
社会で使用されている金属材料の大半は複数の元素が混ざり合った固溶体である.現実の固溶体では,固溶元素は完全にランダムに配置せず,元素間の化学的な相互作用に応じて配置に多少の偏り (規則構造) を生じる.規則構造は,固溶体の塑性変形を担う格子欠陥・転位の運動の障害物となることで力学特性に影響を与えると古くから信じられているが,その真偽をめぐっては金属材料分野で近年世界的な論争となっている.本研究では,申請者が独自に有する最先端手法を用いて,種々の固溶体での規則構造の形成挙動や力学特性との相関を詳細かつ系統的に調査する.固溶体中に形成した規則構造がその力学特性に与える影響の定量的な解明を目指す.