研究課題
基盤研究(B)
本研究は、初期近代イベリア帝国(スペイン、ポルトガル)で展開された対アジア武力宣教論の全容と思想史的意義の解明を課題とする。具体的には、中国(海禁)や日本(鎖国、殉教)を対象に論争された他者危害原理に焦点を当て、自然的交通権と正戦論の関係性を分析枠組とする。このことを通じて、他者危害への報復としての「正しい戦争」の是非をめぐる当時の議論を詳察し、グローバル化時代に対応しうる共生秩序を世界に先駆けて模索した知的格闘の特質と重要性を示す。