研究課題
基盤研究(B)
ミソフォニアとは、咀嚼音や呼吸音などの日常にある特定の音が引き金となり、強い不快感や嫌悪感を引き起こす症状である。本研究では、知覚心理学の実証的手法により、ミソフォニアの背景にある音情報処理メカニズムを明らかにすることを目的とする。まず、ミソフォニアと聴覚過敏における音処理の違いを、主観的・客観的指標を用いて定量的に検討する。さらに、ミソフォニア症状の中核となるトリガー音と嫌悪反応の関連に着目し、音刺激の物理的特性や観察者の認知特性が知覚に与える影響を明らかにする。加えて、異文化比較を通じてトリガー音に対する文化依存性を検討し、ミソフォニア症状の学習・経験の影響を検討する。