物質のカイラル構造振動が誘起する動的量子現象の解明

• 研究課題/領域番号: 25K00962
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
• 研究機関: 放送大学
• 研究代表者: 岸根 順一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (80290906)
• 研究分担者: 戸川 欣彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00415241) ; 加藤 雄介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20261547) ; 小形 正男 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (60185501)
• 研究期間 (年度): 2025-04-01 – 2029-03-31
• 研究課題ステータス: 交付 (2025年度)
• 配分額: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円); 2028年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2027年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2026年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
• キーワード: カイラリティ / カイラルフォノン / カイラル弾性波 / カイラリティ誘導スピン選択現象 / カイラル熱電現象

研究開始時の研究の概要

カイラリティとは，分子や結晶が自身の鏡像と重ね合わせられない構造的非対称性を指し，物質の機能に本質的な影響を与える特性である．本研究では，カイラル分子や結晶格子における振動（カイラル構造の振動・波動）に着目し，そこから誘発される動的現象を，ミクロ・マクロ，量子・古典の各領域にわたって理論的に体系化し，実験的に検証することを目的とする．特に，カイラルフォノンや弾性波による電子スピンへの角運動量転送のメカニズムを解明し，カイラル物質中を通過する電子のスピン偏極現象の理解へとつなげる．この知見をもとに，カイラルフォノンを起源とする新たな熱電現象や超伝導機構の理論的展開を図る．