研究課題
基盤研究(B)
電解質を水溶液に添加すると,気体分子から生体分子までの幅広い溶質分子の溶解度はイオン種に依存して低下(塩析)または増大(塩溶)する.このようなイオン種固有の物性変化「イオン特異的効果」は電解質水溶液の界面現象に深く関わり、溶解度の他に表面張力、高分子相転移、界面の濡れ性など、様々な物性にも現れる。本研究では独自のイオンモデルを開発し、気液、高分子-溶液、固体-溶液界面におけるイオン特異的効果の一般法則を解明し、水和プロトンや水酸化物イオンの特異な挙動の理解を目指す。特に、「水の界面はなぜ酸性になるのか」という根源的な問いに迫り、pHやイオン種による溶質の挙動制御への理論的指針を得る。