研究課題
基盤研究(B)
本研究は強相関電子系の単結晶試料における非対角熱電効果を利用した新しい横型熱電素子を開発することを目的としている.熱電材料の高性能化を阻んでいる原因の一つは,ゼーベック係数と電気抵抗率の間のトレードオフ関係である.申請者は,強相関材料においては結晶軸に応じてトレードオフ関係が破れるケースが存在し,特定の方向で熱電性能が向上することを発見した.この特徴は必然的に非対角熱電効果を引き起こすため,本研究ではその起源となる異方的電子状態を直接観測することにより,好都合な異方性が発現するメカニズムを解明する.この知見に基づいて非対角熱電効果を最大化することで新しい強相関熱電デバイスの創製につなげる.