研究課題
基盤研究(B)
ソフト多孔性錯体は,吸着によって誘起される結晶構造転移(ゲート吸着)を示す。この構造の変形を伴った吸着過程は,直感的には遅いように思われるが,従来吸着剤と遜色ない吸着応答性を示す種の存在が確認されている。この迅速吸着特性の起源解明は工学的に重要であるが,細孔内拡散を律速とする現行の吸着工学では,ガス分子の取り込みと構造変形が複雑に絡み合うソフト多孔性錯体の吸着速度を議論することはできない。そこで本研究は,ゲート吸着における「ガス吸着」と「構造変形」の独立同時測定に挑戦し,得られた知見からソフト多孔性錯体の骨格構造に基づく吸着速度論の体系化および吸着工学への展開を目指す。