研究課題
基盤研究(B)
単結晶有機半導体を用いた量子デバイスは実現可能であろうか?代表者は独自開発してきた大規模量子伝導計算理論「波束拡散法」を用いて、電荷キャリアの運動量緩和(すなわち移動度)を定量的に精度よく予測できることを示してきた。本研究では「波束拡散法」に、新たにスピン自由度を追加してスピン緩和を引き起こす相互作用を導入する。これを単結晶有機半導体で作製する量子ビットに適用し、量子情報(スピン)を喪失させるスピン緩和の支配的要因を解明する。そして有機半導体でスピン量子ビットを実現させるための条件(量子ドットのサイズ、コヒーレンス時間(スピン緩和時間)、動作温度の上限など)を理論的に明らかにする。