研究課題
基盤研究(B)
本研究では、光照射により金属相(λ相)から絶縁相(β相)へと可逆的に相転移するTi3O5の光誘起相転移現象の全容解明を目的とする。格子整合基板やバッファ層、酸化状態の異なる原料ターゲットを用い、(100)面直配向のλ-Ti3O5薄膜を合成する。紫外から赤外領域の吸収スペクトルや電気伝導度測定により、光電子物性の異方性を評価する。光電子分光測定によりTi 3d状態密度を観測し、理論計算と比較することで電子状態を明らかにする。さらに、Nd:YAGレーザ照射による相転移の発現条件を探索し、相転移に伴う光・電子物性や電子状態の変化を定量的に観測することで、デバイス応用に向けた物質の基礎的理解を深める。