研究課題
基盤研究(B)
深共晶溶媒は、2003年のAbbottらによる室温で固体の塩化コリンと尿素を特定の比で混合すると液体状態になるという発明がきっかけとなって注目を浴びている新しいタイプの溶媒である。本研究では、申請者が構築した広帯域ラマン分光システム(0.005-6000 cm-1)を用いて,深共晶溶媒の分子間振動から構造緩和までの分子間ダイナミクス(動的階層性)を微視的な構造と分子間相互作用の視点から解明する。特に深共晶溶媒特有の分子間相互作用に注目してダイナミクスを説明できる分子論的モデルを提案し、深共晶溶媒の動的階層性を包含した物理化学の新しい基盤を確立する。