研究課題
基盤研究(B)
熱力学的に安定な通常の氷は,水素をほとんど取り込むことができない.しかし,水素ハイドレートから低温常圧下で水素を除去した準安定な氷結晶相群には,比較的マイルドな温度・圧力条件で水素を取り込める可能性がある.本研究では,水素を取り込んだ氷の結晶構造・熱力学的安定性水素の吸収放出の反応速度をX線回折,ラマン散乱,中性子回折,中性子準弾性散乱を用いて詳細に観察する.また,これらの実験に分子動力学計算や第一原理計算を組み合わせ,水素ハイドレートの安定性や水素分子の拡散速度を支配する要因を解明する.さらに,有機化合物や塩の添加により,室温常圧に近い条件での水素貯蔵の可能性を追求する.