研究課題
基盤研究(B)
プロトン移動反応は化学・生命科学における最も基本的な素過程の一つである。プロトン移動の反応機構として、水和ネットワークに沿ったプロトンの玉突き移動(グロータス機構)とH3O+の単純拡散(ビークル帰庫)の二つが考えられている。これまでの実験研究から分子系の微妙な違い(たとえば構成水分子数の違い)により反応機構が異なることが報告されているが、反応機構がどのような要因で決まるのか、という点は全く解明されていない。そこで本研究では、分子の温度、水分子の個数、プロトン移動の距離、に着目して、プロトン移動の反応機構がこれらの因子によってどのような影響を受けるのか、実験レベルで解明すること目指す。