研究課題
基盤研究(B)
金属錯体における金属と配位子の結合は、主に配位子からのシグマ電子供与である。一方で金属から配位子へシグマ電子供与をおこなう、Z型配位が近年注目されている。Z型配位子としては、典型的なルイス酸である13族のホウ素やアルミニウムが用いられてきた。一方で触媒などとして重要な有機金属錯体において、金属-炭素間の結合は常に炭素から金属への電子供与である。これはシグマルイス酸として働く中性炭素種の合成が困難だったためである。本研究では、申請者が開発したルイス酸性中性炭素種であるホウ素二置換カルベンを鍵とし、従来の金属-炭素結合と真逆の電子状態を持つ炭素Z型配位錯体を実現する。