研究課題
基盤研究(B)
ヒトは言語によって世代を超えて知識を伝承し、文化を発展させてきた。一方で、ヒト以外の動物の鳴き声や身振りは、求愛や警戒といった即時の目的に使用され、文化の創発には寄与しないと考えられてきた。それに対して応募者は、シジュウカラのコミュニケーションにおいて、言語の中核をなす特徴(言語機能)を発見し、知識の文化的伝承の可能性を見出した。本研究では、まず、シジュウカラやそれと同所的に生息する複数種の鳥類を対象に野外での行動実験を実施し、言語機能を介した知識の文化的伝承の実態を解明する。そして、種間比較や地域間比較、DNA解析、数理モデル解析などを用いて、文化の創発に関わる認知基盤とその進化原理に迫る。