研究課題
基盤研究(B)
造血系は、酸素運搬、止血作用、免疫作用など生体の恒常性に極めて重要であり、造血幹細胞(HSC)により維持されている。一方、老化に伴いHSC分画内に質的変化が蓄積することで、造血不全が惹起され個体の恒常性が破綻するが、そのメカニズムは、依然として不明な点が多い。その原因として、HSC自体極めて数が少ないことに加え、HSC分画内に起きる質的変化が多様かつ不均一である事が挙げられる。本研究では、生涯にわたり自己複製能を有する長期造血幹細胞(LT-HSC)に着目し、この多様かつ不均一に起こる加齢性変化を高精度に解析する手法を開発し、造血不全がどのように引き起こされるか、そのメカニズムを明らかにする。