研究課題
基盤研究(B)
通常型膵癌においてKRASを含む4つの遺伝子変異のみで生物学的多様性・個々の腫瘍の不均一性を説明することは困難であり、他の分子学的要因も膵癌の特性に寄与している。近年、三次元クロマチン構造に規定される遺伝子発現が、細胞の分化系譜や生物学的特性に密接に関与することが明らかにされ、癌においてもクロマチン構造の重要性が検討されている。本研究は、膵癌の可塑性に連動する後天的特性の一つ “治療薬剤への耐性獲得”における「三次元クロマチン構造の役割と背景の分子メカニズム」について検討し、膵癌薬物治療における耐性機序の分子学的理解と新たな治療概念確立への応用を目指す。