研究課題
基盤研究(B)
感染性細菌は抗菌薬侵入を検知し、それに対抗する薬剤耐性遺伝子を発現する「誘導耐性」システムを有する。抗菌薬投与の数週間後に薬剤耐性を獲得することから、感染性細菌の治療を困難にしている。本研究は、申請者独自の無細胞翻訳系を直接可視化するDARC法を用いて、抗菌薬の侵入を検知するためのセンサーとして働くリボソームの動態を、クライオ電子顕微鏡により可視化する。さらに、薬剤耐性遺伝子が抗菌薬により停止したリボソームをどのように復旧するのかも明らかにする。停止と復旧を合わせて理解することで、抗酸菌リボソームを舞台とした、抗菌薬と薬剤耐性機構の攻防を、分子レベルそしてネイティブ環境で理解することを目指す。