研究課題
基盤研究(B)
熱帯熱マラリア原虫は特効薬のアルテミシニンを含む多剤への耐性を獲得しているが、本種が急速に耐性化する理由は不明である。本研究では本種に特有の血管内皮への接着という現象に注目し、それによって生じる宿主内微小環境の変化と薬剤感受性の関連を培養・動物モデルと臨床研究の両面から解明する。さらに加速進化モデルを用いて薬剤耐性の出現過程を追跡する。個々の耐性変異を探索するのではなく、耐性進化を加速する包括的な仕組みを解明することで、耐性出現と新薬開発の競争を超えた「耐性が出現しない治療」の実現を目指す。