研究課題
基盤研究(B)
南極氷床は,全体では質量が減少しつつあるものの,東南極の西部では質量の増加が報告されている.氷床の質量変化は「氷床表面での堆積」と「氷床末端での海への流出」の収支で決まるが,本研究では,理解が遅れている「氷床表面での堆積」に着目する.降雪が最終的に堆積するまでに介在する地吹雪過程を対象にして,東南極の西部へのモデル適用に必要な観測データを収集する(南極氷床と共通する特定方向への地吹雪発達を促す傾斜を有した立山連峰での大規模な地吹雪観測).そして観測データから得られる新たな推定式を組み込んだ数値モデルを用いて,東南極の西部では降雪が最終的に氷床表面のどこにどれくらい堆積するのかを評価する.