研究課題
基盤研究(B)
人為起源の大気エアロゾルは,海洋の植物プランクトンに必須もしくは毒性を持つ重金属を含むため,その沈着は海洋の生態系や一次生産に影響を与える可能性がある.本研究では,多元素安定同位体比分析と放射性同位体分析を組み合わせた新たなアプローチによって,多様な起源から排出される大気中重金属の海洋への沈着,そして海洋内での溶解・沈降に至るまでの動態を定量的に明らかにする.この知見は,人為起源の大気エアロゾルが海洋の生物生産に及ぼす影響を定量化するうえで必須であり,効果的な海洋環境保全政策の立案に不可欠である.