研究課題
基盤研究(B)
本研究は、1980年代にトルコのクルド人の民族アイデンティティを覚醒させ、クルド人運動をグローバルな運動へと変容させた出版活動の特徴を、ウイグル人の事例との比較を通じて明らかにする。トルコのクルド人の民族意識の覚醒と運動の変容に対しては、欧州を中心とするディアスポラによる出版物の果たした役割が指摘されてきた。また、ウイグル人の民族意識や運動においても、トルコのディアスポラを中心とする出版物を通じた変化がみられる。トルコという共通の舞台をもつクルド人とウイグル人の事例を比較し、出版物が民族意識の形成に与える影響と、ホスト国の社会や政治体制が民族意識の形成や運動の変容に与える影響について考察する。