研究課題
基盤研究(B)
電子‐原子衝突過程における入射電子と標的原子との相互作用ポテンシャルによって生じるゼプト秒オーダーの散乱電子波束の時間遅れ(Wigner遅延時間)を測定する独自の実験手法を開発する。この実験手法では、円偏光超短パルスレーザー場中で希ガス原子と高速電子線を衝突させ、散乱電子のエネルギーと散乱角度分布を計測する。そして、左右円偏光での微小な散乱信号強度の差から散乱角度に依存したWigner遅延時間を計測する。この手法によって、時間領域描像での波束運動として衝突過程を実験的に捉えることが可能となり、衝突問題に対して新たな視点を与えるとともに、未踏のゼプト秒科学を切り拓くことができる。