研究課題
基盤研究(B)
励起された分子が示す構造変化と熱活性化遅延蛍光の間には密接な関係があるが、分子内の運動自由度が発光にどのような影響を持つのかについて理解は未だ乏しい。本研究では、原子レベルの時空間分解能を持った分子動画を作成できる時間分解X線溶液散乱法によって、カルベン-金属-アミド錯体の一重項励起状態および三重項励起状態の構造変化を直接観測し、熱活性化遅延蛍光を駆動するメカニズムを解明する。これまで強い差分散乱信号を期待できる系(重元素を複数個含む系)に研究対象が偏っていた時間分解X線溶液散乱法の適用範囲を広げ、分子の構造変化と熱活性化遅延蛍光の関係性を探るための革新的なリアルタイム動画を実現する。